LinkedIn 日本代表の田中若菜氏(撮影:榊水麗)

 世界11億人が利用するビジネス向けSNS大手のLinkedIn(以下、リンクトイン)。企業向けの人材採用プラットフォームとしてだけでなく、近年はスキル習得のEラーニングサービスにも力を入れている。2023年に同社の日本代表に就任した田中若菜氏は、日本企業が直面する人材の課題を解決する切り札は「スキルベース」の考え方だと語る。その理由を聞いた。

世界11億人の人材ビッグデータが事業基盤

――リンクトインは日本では「ビジネスSNS」として知られています。特に外資系企業で働く人が転職活動に使うイメージがあるのですが、現在の事業内容はどのようなものですか。

田中 確かにそういうイメージを持たれているところもあると思います。しかしリンクトインは「外資系転職メディア」ではありません。社内では、「キャリアデベロップメントプラットフォーム」と呼んでいます。

 リンクトインのビジネスは大きく4つに分かれています。まず当社の基盤であり、最大の強みである人材マッチングサービスです。世界6900万社、約11億人が登録する人材のビッグデータを保有しており、個人のプロフィールをはじめ、人材が備えるスキルのデータが蓄積されています。このデータを基にしたプロフェッショナルのマッチングサービスを提供しています。

 最新のデータでは、リンクトインを介して世界で1分間に約9000人が企業の募集に応募し、7人の採用が決まっています。リンクトインは、フォーチュン100*企業の6割以上が採用プラットフォームとして採用している、世界のメジャーな人材マーケットプレースです。

*アメリカ合衆国のフォーチュン誌が年1回編集・発行するリストの1つ