アプローチ②:仕事の評価ポイントを多様化させる

 仕事をやり切った後は、「褒められた」という実感を持たせるようにすることが重要だ。案件を受注したり、1つのプロジェクトを完遂するなど、分かりやすい成果が出れば、褒めるのは簡単だろう。しかし、仕事はそのような華々しい成果ばかりではない。地道な裏方業務の積み重ねがあってこそ、華々しい成果も生まれるものである。

 このような裏方業務は一般的に新入社員が担うことも多いため、どうしてもスポットライトが当たりにくくなる若手も存在する。だからこそ、マネジャーには「縁の下」に目を向け、コツコツとした行動にスポットライトを当てる配慮が求められる。例えば、業務のスピードアップやミスの減少など、様々な評価ポイントを用意して新入社員を評価するようにしたい。

 さらには、賞賛よりも承認を求める傾向にあるZ世代の評価においては、手放しで褒め称えるだけの状態は避けたい。何が認められたのかを明確にすることも大切である。例えば、「今回成果を出せたのは、君のクライアントとの調整力が磨かれたからである」「自分の個人的な感情に左右されず、安定して活動できたからである」というように、理由をつけることで承認された感覚は増す。組織人格として役割演技を求められているZ世代に対して、どの部分の役割演技力が高まったのかを明確にして承認することで、Value不足やPower不足などの不足感は減少するであろう。

 また、褒めるタイミングは「即時」が基本である。SNS時代を生きているZ世代においてはリアルタイム性は重要である。また、教育学の実験でも、学生がテストや宿題に対して即時にフィードバックを受けることで学習意欲が向上することが明らかになっている。半年後の評価面談で褒められても、本人からしたら「えっ? それっていつの話?」とピンとこない場合もあるだろう。