2023年4月には「三井ショッピングパーク ららぽーと門真・三井アウトレットパーク 大阪門真」を開業。同社の商業施設事業は拡大を続けている。写真提供:共同

 大手不動産企業としてオフィス・商業施設・物流施設などの賃貸・運営や不動産・マンションの売買など幅広く手掛ける三井不動産。同社は「Real Estate as a Service」構想の下、DXによるリアルワールドの価値最大化を目指している。その取り組みを同社の商業施設事業で紹介しよう。

 グループ長期経営方針「VISION2025」の中で「テクノロジーを活用し、不動産業そのものをイノベーション」していく方向性を打ち出す三井不動産。技術の活用を重視した展開は同社の「DX VISION 2025」でも示されており、「不動産を『モノ』としてではなく、ハードとソフト(リアルとデジタル)の合わせ技で『サービス』として提供する“Real Estate as a Service”の実現」というDX方針を持つ。

 この同社のDXへの取り組みは評価されており、経済産業省・東京証券取引所の「DX銘柄2022」に選定されている。その選定理由は“Real Estate as a Service”の実現に向け、「顧客価値提供のためのDX」と「ビジネスプロセス効率化のためのDX」(顧客満足度向上と生産性向上の両立)の2方向で取り組んでいる点と、全事業同時に組織としてDXを推進している点だ(具体例としては、ヘルスケアデータプラットフォーム「柏の葉データプラットフォーム」の構築など)。

 三井不動産では多岐に渡る事業ドメインの中でさまざまなDXが進行中であるが、ここでは同社の商業施設事業を例にDX戦略をひも解いていく。