アマゾンのデジタル広告シェア7.3%
米CNBCによれば、米グーグルはアップルのルール変更による影響をあまり受けていないものの、景気減速の影響を受けている。グーグルの持ち株会社、米アルファベットが2月2日に発表した22年10~12月期決算は、売上高が前年同期比1%増の760億4800万ドル(約10兆500億円)だった。全売上高の78%を占める主力ネット広告事業の売上高は同3.6%減の590億4200万ドルだった(約7兆8000億円)。
米調査会社インサイダー・インテリジェンスによると、アマゾンは世界のデジタル広告市場で7.3%のシェアを獲得し、3位に浮上した。これに対しグーグルのシェアは28.8%、メタのシェアは20.5%。グーグルやメタからいくらかのシェアを奪ったとしてもアマゾンは依然として、この市場で2社に大きく遅れを取っている。
メタ離れ、広告予算をアマゾンに
だが、ここ最近は広告予算の一部をアマゾンに振り向ける動きが広がっている。CNBCによると、スマート目覚まし時計を手がける米ロフティーは、22年のブラックフライデー前後の4日間、メタへの広告予算を従来の71%から40%に減らした。それに代えて、初めてアマゾンに広告を掲出し、その予算比率を10%にした。これによりロフティーの4日間の売上高は過去最高の25万ドル(約3300万円)に達した。
ロフティーの経営者は、「フェイスブックの広告はまったく機能しなくなった。以前と同じ広告効果を得るためには、より多くの広告を配信しなければならず、単にコスト高だ」と話したという。その要因の多くはアップルのプライバシールール変更によるものだという。
その一方でアマゾン広告は高い効果が見込めるという。なぜなら、利用者はアマゾンのサイトを訪れ、そこでキーワード「ロフティー」で検索し、商品を購入するからだという。
米投資会社のコーエン・アンド・カンパニーが広告主を対象に行った調査によるとグーグルとフェイスブック以外の広告プラットフォームで、今後重要になると考えられるものの1位はアマゾンだった。広告プラットフォームとしてのアマゾンの人気はTikTokも上回ったという。また広告主の54%が、23年はアマゾンへの広告支出額を増やすと回答した。
コーエンのアナリストは、「企業広告の掲出先としてメタは依然として中核をなすが、その影響力は弱まりつつある」と指摘する。メタはTikTokと同様の機能「Reels(リールズ)」を強化している。だが、その投資が効果を生むのは数年かかるという。「マクロ経済への逆風を考えると、メタの広告シェアは23年にさらに低下するだろう」とアナリストらは予測する。