宮原社長の今後の目標
「今の教育事業の形態では、わが社の成長はあと2、3年しかもちません。うちの教室・塾はリアルの授業が強いんですが、それをオンラインにして塾がない地区でも学べるようにする。オンラインでもっと良い授業を提供できるようにするのが次のシーンかなと思います。それによって日本国内の教育の地域格差の解消やグローバル化ができます。台湾やシンガポールにも学研の塾がありますが、コロナ禍に全部オンラインで授業をやっていて、とても好評です。出版物でいうと、英語の出版にも進出していきたいし、そのためにもデジタル化して多言語化する。VR、ARもしっかりとやっていく。
介護も、まだ全県にサービス付き高齢者向け住宅を作れていません。遠隔で介護や認知症予防などデジタルを使った形のサービス展開に進出していきたいです。介護現場の従業員の負担軽減のためにはIT、ICTをさらに使わないといけないですね。カルテのDX化は導入済みなので、音声で入力したり、薬の誤飲を防ぐようなシステムやアプリなど、いろいろなことに挑戦しながら少ない人数で多くの方の介護ができるようにするなど、やりたいことはいっぱいありますし、やらないとこの業界は持ちません」

経営で心掛けていること
「『逡巡の罪』とよく言っていますが、経営者として絶対してはいけないのはチャンスを逃すことだと思っています。外部環境が変わる時には必ずチャンスが来る。失敗してもいいけど、チャンスの時は挑戦できるような組織にはしておかないと、と思います。チャンスに勝負できるお金もしっかり稼ぎ、勝負できる人財を育てることをすごく気にかけてやっています」
両親から「世のため、人のために生きろ」と言われて育ち、日本を守るために「国防、教育と医療」が重要であると、入社当時から語っていた宮原社長。社長に就任してから、常に原点を意識し、ピンチに立ち向かい、企業変革に取り組んできた。日本という国の根幹をなす教育と医療という領域で、「社会課題の解決をする」という強い意志がそこにはある。会社と仕事に誇りを持つ「学研魂」で、日本のために、使命感を持って取り組んでいる。