CPOとして考えるプロダクトの未来
2022年7月にRevCommは、AI搭載オンライン商談解析ツール「MiiTel for Zoom」の提供を開始しました。
新型コロナウイルス感染拡大を経て、これまで日本の商習慣に強く根付いていた「直接会わないと何も始まらない」という文化が、コロナ禍を機に変化し始めました。欧米で先行して広がりつつあったオンライン商談が日本でも本格的に導入され、直接対面を介することなく顧客ヒアリング、商談から契約、さらにフォローまでをオンラインで行うようになったのです。
これまで音声解析AI電話「MiiTel」でカバーしていた営業活動における最初のコンタクトからアポイント獲得に加え、従来フィールドはセールスが直接訪問でカバーしていた商談、クロージング、契約、さらに導入後のお客さまのフォローまでを「MiiTel for Zoom」を活用して一気通貫で行い、記録を共有できるようになりました。これにより、共有できる一次情報が広がり、営業に関わる全ての活動の情報をストックとして残せるようになりました。
この情報は会社にとっての「資産」です。これまで資産は金銭で計測できるものと認識され、無形資産としてカウントされるものは「のれん」など一部に限られてきましたが、これからの時代、企業の価値は社内に蓄積されている情報の量と質によって決まるのではないでしょうか。
今後、RevCommでは「MiiTel」や「MiiTel for Zoom」を、さらなる顧客課題の解決に向けて改善、改良していくとともに、コールセンター向けソリューション、HR Tech、MedTech、EdTech、BtoC等他領域への展開や海外展開を進め、長期的には社内コミュニケーションを全てデータ化し、示唆を導く経営判断AIの開発・提供に向けてプロダクト開発を進めていきます。
過去と比べられないほど変化が大きくなるこれからの時代、組織全体がどれだけスピーディに意思決定に資する情報にアクセスできるかが非常に重要です。そんな時代に、企業の存在価値向上に直接貢献できるプロダクトのマネジメントに携われることは、私にとっても大きな財産です。
そのプロダクトがあれば未来の社会がどのように変化するか
プロダクトマネジメントに携わる立場として、私は「そのプロダクトが存在することによって未来の社会がどのように変化するか」に注目しています。
今後、われわれが提供している「MiiTel」や「MiiTel for Zoom」のようなコミュニケーション可視化ツールは、社会の中で当たり前に使われるツールになっていくと考えています。コミュニケーション可視化ツールは企業におけるあらゆるコミュニケーションで活用され、これまでコミュケーションや情報共有に不便を感じていた人たちを助けるようになっていくのではないかと考えています。
現在、われわれが、営業における会話や面談に重きを置いているのは、会話が行われる場面を限定することにより、解析精度をできる限り高めたいという考えからです。音声を解析するには、AIが学習するための膨大なデータが必要であり、そのデータ同士に関連性が高いほど、学習効果が高まり、精度が向上します。これにより、現場でより役立つ、効果の高いサービスを提供できるのです。
現在、「MiiTel」の音声データは1億3000万件以上を数えます。これまで音声解析の学術研究の場では、教師データ(機械学習に利用するデータ)の収集が困難だったといいます。そんな中で、実際にビジネスの最前線で話されたデータを保有していることは大きな強みであり、これからさらに精度が高まっていく原動力となるでしょう。
精度の向上によりツールに対する信頼性が高まり、一つの分野で得られた信頼性をもとに別の分野での活用が始まる。そのことが、別の分野での新しいチャレンジや価値創出につながる。そんな連鎖を起こしていくことが今後の楽しみの一つです。