※本動画コンテンツは、2022年8月24日(水)に配信したJBpress/JDIR主催「第3回金融DXフォーラム~デジタルテクノロジーの活用による金融イノベーションの実現」の基調講演「エンベデッド・ファイナンス~今後の展開~」のアーカイブ配信です。

 日本でもエンベデッド・ファイナンス(組み込み型金融)が、小売や通信など非金融企業を中心に展開されつつある。こうしたトレンドは、非金融企業のビジネスの可能性を拡大するのはもちろん、非金融企業にBaaSを通じて技術やノウハウを提供するフィンテック事業者、金融機関にとっても、非金融企業の持つ大きな顧客基盤にリーチできるメリットをもたらしています。

 エンベデッド・ファイナンスは、「フィンテック第3の波」として位置づけられています。第1の波でフィンテック企業が既存金融機関に代わろうとするかたちで登場し、第2の波で銀行とつながり、第3の波で銀行以外の非金融企業と提携するようになりました。

 日本国内の最新動向を見ると、例えば住信SBIネット銀行が提供する「NEOBANK」というBaaSの好例がすでにあります。また金融商品販売法の改正により、銀行・証券・保険サービスといった業態ごとの縦割りと所属制を撤廃する「金融サービス仲介業」が生まれ、保険や投資分野でもエンベデッド・ファイナンスが展開されています。

 また今後の展開としては、BNPL(後払い)、中小企業への融資、若年層向けの投資、そしてスーパーアプリが大きな注目を集めています。企業がこの先、多様化するエンベデッド・ファイナンスに参入する際には、サービス・チャネルにおいて、自社と他社のポジショニングを明確にし、多くの顧客を持つ企業とパートナーシップを結ぶことが重要になるでしょう。

 本動画では、先端テクノロジーの動向調査を専門とし、『エンベデッド・ファイナンスの衝撃―すべての企業は金融サービス企業になる』(東洋経済新報社2021年12月刊行)をはじめ、多数の著作がある株式会社野村総合研究所DX基盤事業本部プリンシパルアナリストの城田真琴氏が、エンベデッド・ファイナンスの基礎から今後の展望までを解説します。