ロイターによると、新型コロナウイルスの感染拡大が企業のサプライチェーン(供給網)移転計画を阻んでいた。だが、最近の規制緩和に伴い、アップルを含む多くの企業がその動きを再加速させている。

 ブルームバーグ通信は22年9月初旬、インドの大手財閥タタ・グループと緯創資通が、同国でiPhoneを組み立てる合弁会社の設立に向けて、協議中だと報じた

 タタが緯創資通のインド事業に出資する、2社が共同でiPhoneの組み立て工場を建設する、あるいはその両方を実施する可能性があるという。

グーグルもインド移管検討、高まるインドの重要性

 また、米メディアのジ・インフォーメーションは22年9月中旬、グーグルがスマホ「Pixel」の一部生産をインドに移管することを検討中だと報じた。中国でのロックダウンに伴う混乱と、米中緊張の高まりがその要因だという。

 アップルについては先ごろ、最新モデルのiPhone 14を早ければ、22年11月にもインドで生産する計画だと報じられた。アップルが前モデル「iPhone 13」シリーズを発売したのは21年9月24日だったが、同モデルのインド生産を始めたのは、7カ月後の22年4月だった。今回のiPhone 14は、インド生産が5カ月早まるという。

 これについて、JPモルガンのアナリストらは、「最新iPhoneのインド生産が早まったことは、生産拠点としての同国の重要性が増していることを意味している」と指摘。iPhoneのインド生産比率は、今後ますます高まるとアナリストらは確信している。

 (参考・関連記事)「アップル、iPhoneの中国依存低減、インド生産迅速化 | JDIR