(写真:ロイター/アフロ)
米調査会社のIDCが6月8日に公表した最新の調査によると、パソコンの世界出荷台数は2022年に前年比8.2%減少し、3億2120万台にとどまる見通し。タブレット端末も振るわず、世界出荷台数は同6.2%減の1億5800万台になると予測している。
戦争、インフレ、ロックダウンが新たな問題に
ロックダウン(都市封鎖)やロシアのウクライナ侵攻、インフレによる逆風がパソコンとタブレット端末の需要鈍化の背景にある主な要因。法人向けパソコンは需給の両面で動きが活発だが、消費者向けと教育市場向けは需要が減少。依然として先行きに不透明感が強まっているという。
これに先立ちIDCが公表していた21年のパソコン世界出荷台数は前年比14.8%増の3億4880万台で、12年以来9年ぶりの高水準だった。ただ、21年10~12月期の出荷台数は前年同期比1%増にとどまった。物流の逼迫や半導体など部品のサプライチェーン(供給網)の停滞が要因だった。
IDCのリサーチマネジャー、ジテッシュ・ウブラニ氏は22年のパソコンとタブレット市場について、「しばらくの間、供給不足が業界を悩ませてきた。これに加え、中国の一部で最近実施されたロックダウンが問題を悪化させ続けている」と指摘する。
問題点、川上では部品調達、川下では物流
「工場は、その川上にあたるサプライヤーから部品を調達するのに苦労しているほか、川下では完成品の出荷・物流で問題に直面している。移動・外出制限の影響はまもなく緩和される見通しだが、22年後半もサプライチェーンの生産性は依然低いまま。配送遅延も続く」(同氏)
IDCのグループバイスプレジデントのライアン・リース氏は「新型コロナによってもたらされた複合的な問題に、戦争、インフレ、ロックダウンが加わった」とコメントしている。
ただ、22年のパソコンの出荷台数はコロナ禍前の水準を優に上回る可能性があるとも指摘している。今後市場投入される新製品や、堅調な法人向けパソコン需要、新興国市場での需要増が、成長エンジンになると同社はみている。
これに伴い、23年以降のパソコン世界出荷台数は増加に転じる見通しだ。ただし22年がマイナス成長となるため26年までの5年間の年平均成長率(CAGR)はマイナス0.6%となる見通し。 一方で、タブレット端末の5年間の年平均成長率はマイナス2.0%と、パソコンよりも減少幅が大きいとIDCは予測する。
スマホやウエアラブルもマイナス成長
IDCの別のリポートによると、22年のスマートフォン世界出荷台数は前年比3.5%減の13億1000万台となり、2年ぶりに減少する見通し。また、ウエアラブル機器の22年1~3月の出荷台数は1億530万台で、前年同期から3.0%減少した。同社が統計を取り始めて以来初めて減少に転じた。
こちらも、インフレやロシアのウクライナ侵攻、中国のロックダウンがもたらしたサプライチェーン問題が背景にあるとIDCは分析している。
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