米調査会社IDCが6月7日に公表したウエアラブル機器市場リポートによると、2022年1〜3月の世界出荷台数は1億530万台で、前年同期から3.0%減少した。統計を取り始めて以来初めて減少に転じたという。
ウエアラブル需要冷え込むもアップル6.6%増
この2年間のコロナ禍の需要増で市場は急成長していたが、消費者が他の製品への支出を増やすようになり、ウエアラブル需要は冷え込んだ。
ウエアラブル機器には、腕時計型やリストバンド型、イヤホン型、眼鏡型などがあるが、このうちリストバンド型が前年同期比40.5%減と大きく落ち込んだ。これに対し腕時計型は同9.1%増と好調でウエアラブル市場全体の28%を占めた。
メーカー別に見ると、中国・小米(シャオミ)、中国・華為技術(ファーウェイ)、韓国サムスン電子がそれぞれ23.8%減、10.8%減、9.9%減と落ち込んだ。
これに対し米アップルは同6.6%増加した。腕時計型端末「Apple Watch」の販売が好調だった。20年に発売した「Apple Watch SE」は200万個以上を出荷した。「発売から1年半以上がたつ製品が驚くべき回復力を見せた」とIDCは指摘する。ただし、アップルのワイヤレスヘッドフォン「AirPods」の出荷は横ばいにとどまった。
22年1〜3月の上位5社の出荷台数は1位から、アップル(3210万台)、サムスン(1090万台)、シャオミ(980万台)、ファーウェイ(770万台)、印イマジン・マーケティング(320万台)の順。
1年前(21年1〜3月)のウエアラブル機器の世界出荷台数は1億860万台で、過去最高を更新した。1億台の大台を突破したのもこの四半期が初めてだった。