基本年収の他にも、入社時の一時金や譲渡制限付株式ユニットなども含まれるため、実際の支給額はさらに増える見込み。アマゾンは社員宛のメモで、「21年の労働市場は特に競争が激しく、我々は様々な選択肢を徹底的に分析した。当社事業の経済性と優秀な人材の維持の重要性を考慮し、報酬水準を通常の年よりも大幅に引き上げることにした」と伝えた。

アップルが時給22ドル、18年比45%増

 アップルは22年5月、従業員宛電子メールで「全体的な報酬予算を増額する」と明らかにした。米国の時間給従業員の初任時賃金は1時間当たり22ドル(約2830円)となり、18年比で45%増える。労働市場の状況によってはさらに上がる可能性もあるという。米メディアは、アップルが米国オフィス職の初任給も引き上げると報じている。

 このほか、マイクロソフトも成果ベース昇給向けの予算を世界全体でほぼ2倍にする計画を社員に伝えた。グーグルも人材確保・維持のために報酬体系を見直したと報じられている。

年収3万ドル未満の企業減少

 ウォール・ストリート・ジャーナルが有価証券報告書のデータを基に米企業約450社の報酬額(年収)中央値を分析したところ、グーグルの親会社であるアルファベットが最も高かった。その金額は29万5884ドル(約3810万円)。19年比で14%、20年比で8%増加した。

 また中央値が高額だった企業上位25社のうち12社はテクノロジー企業、あるいはテクノロジー重視型メディアプラットフォーム企業だった。 メタ(旧フェイスブック)やネットフリックスなどがこのグループに入る。

 一方で中央値が3万ドル(約387万円)未満だった企業は、ウォルマートやホーム・デポなど41社。これら企業は小売業やスーパーマーケット、ファストフードチェーンなどで、時間給またはパートタイム従業員を多く雇っている。ただし、このグループの企業数は19年の56社から減少している。

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