サーチャージ制度については、「コストがさらに上昇するのか、下降に向かうのか、インフレがいつまで続くか分からない。このため恒久的な料金変更ではなく物流業界で広く使われているサーチャージの仕組みを初めて導入することにした」と説明した。

 米CNBCによると、商品1つ当たりのサーチャージ額は平均24セント(約30円)だとアマゾンは説明している。これに対し米UPSの22年3月21日時点の燃油サーチャージは42セント、米フェデックスは49セントだという。

 米労働省が22年4月12日発表した同年3月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比8.5%上昇し、1981年12月以来、40年3か月ぶりの高水準となった。ニューヨーク・タイムズによると米国のガソリン価格は1年前から48%上昇した。

出品者の89%がFBAを利用

 アマゾンのEC(電子商取引)サイトでは、「サードパーティーセラー」とも呼ばれる外部出品者の商品の取扱高が、アマゾンのEC直販事業の売上高を上回る規模に成長している。また、FBAの料金や販売手数料など、アマゾンが出品者から得た各種料金は、21年に1033億6600万ドル(約12兆9500億円)に上り、全売上高の22%を占めた(アマゾンの年次報告書)。

 アマゾンの出品者に特化した検索・市場分析サービスを手がける米ジャングルスカウトのリポートによると21年は、200万社以上ある全出品者のうち約89%がFBAを利用したという。FBAは出品者にとって料金負担が増えるものの、顧客への迅速な配達が可能になり、ECサイトで会員向けサービス「Prime」のラベル付与の対象となるため、多くが利用しているという。

 (参考・関連記事)「アマゾンが未曽有の物流混乱を回避できた理由 | JDIR