また、米アップルや米インテルを顧客に持つ、プリント基板の欣興電子(ユニマイクロン)は、昆山工場の閉鎖を4月19日まで延長すると明らかにした。同社では、顧客への影響を軽減するために経営資源の調整を行っているという。22年1〜3月期における昆山の2工場の売上高は同社全体の約13%を占めたという。

著名アナリスト「4月下旬〜5月上旬まで再開不可能」

 アップルなどの電子機器の市場動向に詳しい中国TFインターナショナル証券アナリストのミンチー・クオ氏はこうした状況について、「最良のシナリオでも、生産の完全な再開は22年4月下旬あるいは5月上旬になるまで不可能かもしれない」と述べている。一方で「アップルはその強力なサプライチェーン(供給網)と、中国政府との良好な関係により、影響を最小限に抑えることができるだろう」と同氏は予想する。

 ただ、台湾の調査会社トレンドフォースは、操業停止による影響は長引くとみている。物流停滞や材料不足、人員確保といった様々な問題が生じているという。「都市封鎖が解除された後の物流と資材需要の急増は、税関当局の業務をまひさせ、配達遅延を引き起こす可能性がある」としている。

 また中国の消費者が支出を携帯電話などの電子機器から生活必需品に振り向けるため、iPhoneの需要も打撃を受ける可能性があるとロイターは報じている。

 中国では22年3月に、電子産業の集積地と言われる南部の広東省深圳市でも都市封鎖が実施された。同じくiPhoneの組み立てを請け負う、台湾・鴻海(ホンハイ)が同市に持つ工場の中断を余儀なくされた。

 (参考・関連記事)「中国のコロナ都市封鎖、iPhone工場など操業一時停止 | JDIR