フェイスブック・インスタグラム ロゴ イメージ (写真:ZUMA Press/アフロ)

 ロシアの通信監督庁が、米メタ(旧フェイスブック)傘下の写真共有アプリ「Instagram(インスタグラム)」を同国内で遮断すると発表した。ロイター通信などが3月13日までに報じた

メタ、暴力的SNS投稿を一時容認

 ロシア当局は、インスタグラムの利用者に対し電子メールで、遮断前に写真や動画をインスタグラムから移動するよう呼び掛け、ロシア国内の「競合インターネットプラットフォーム」に切り替えるよう促した。インスタグラムの幹部は、これによる影響はロシア国内のユーザー8000万人に及ぶと説明した。

 ロシア当局によるこの措置に先立つ2022年3月10日、メタは暴力的な内容の投稿へのルールを、ウクライナや周辺国で一時的に緩和すると明らかにしていた。例えば「ロシアの侵略者に死を」といった投稿を容認する。

 21年1月の米連邦議会議事堂の占拠事件以降、メタは投稿内容の管理体制を強化。暴力を称賛したり助長したりする投稿を禁じ、違反者のアカウントを凍結するなどの措置を講じてきた。

 だが、ロシア軍のウクライナ侵攻を受け、これに抵抗するウクライナの人々の発言を違反とし、従来のルールを基に削除すれば、「同国民の言論の自由が奪われる」と判断した。

 「侵略者に死を」などという投稿はウクライナのほか、ポーランドやルーマニアなどの周辺国ではもはや反戦スローガンとなっており、メタとしてはそれらすべてを削除できなくなっている、という実情もあるのだろう。

 ただ、一般市民をターゲットとする暴力的な発言は違反となる。指導者の死を求める発言であっても場所や時間を指定すると違反となる。今回は特例で、プーチン大統領のほか、ロシアと同盟のベラルーシのルカシェンコ大統領に対する暴力的な内容の投稿も認めた。

 だが、この決定がロシアの怒りを買ったとロイターは報じている。ロシアではかねてメタに対する「犯罪捜査」を進めていた。ロシアの検察当局は3月11日、メタを「過激派組織」と認定し、ロシアでの活動を禁止するよう裁判所に申し立てた。