RT Newsアプリ(写真:ロイター/アフロ)

 ロシア軍のウクライナ侵攻を巡り、米メタや米グーグル、米ツイッターなどのSNS(交流サイト)大手が、誤情報の拡散防止に取り組んでいる。米CNBCロイター米ニューヨーク・タイムズなどが2月28日までに報じた。

ロシア国営メディアへのアクセス制限

 フェイスブックを運営するメタは2月28日、欧州連合(EU)域内で、ロシア国営メディアへのアクセスを制限すると明らかにした。

 EUは前日の2月27日、ロシアの国営テレビRTと通信社スプートニクのEU域内での活動を禁止すると発表していた。

 メタの国際渉外部門担当社長、ニック・クレッグ氏はツイッターへの投稿で、「各国政府やEUからロシア国営メディアに対しさらなる措置を講じるよう要請があった。この異例の状況を考慮して、EU域内でRTとスプートニクへのアクセスを制限する」と述べた。

 メタはウクライナ政府の要請を受け、同国内でロシア国営メディアへのアクセスを制限している。メタによると、同社は「ゴーストライター」と呼ぶハッカー集団が、乗っ取ったSNSアカウントを使って偽情報を拡散していることを突きとめた。彼らは、「弱体化したウクライナ軍が白旗を揚げてロシアに降伏した」とする偽動画を投稿しようとしていたという。

 このほか、独立した報道機関を装った複数のウェブサイトを運営し、偽のアカウントでフェイスブックやインスタグラム、ツイッター、テレグラムに侵入し誤情報を拡散している行為も発見した。メタは、すでにこれらのネットワークを遮断したと説明している

ウクライナの交通情報、人混み情報を一時停止

 一方でグーグルの動画共有サービス「YouTube(ユーチューブ)」もRTなどのロシア国営メディアの広告出稿を禁止し収益化を阻止したほか、ウクライナ国内でこれらメディアへのアクセスを制限している。

 また、ロイターによると、グーグルは2月27日、地図アプリ「Google Maps」で、ウクライナ国内のライブ道路交通情報や、店舗などの混雑情報の提供を一時停止したと明らかにした。住民の安全のために地元当局などと協議した結果、ウクライナ国内のこうした情報は世界からアクセスできないようにしたと説明している。

 ツイッターも監視体制を強めている。すでにウクライナとロシアで広告掲出を中止したほか、誤情報投稿の削除にも力を入れている。サイト安全性の責任者を務めるヨエル・ロス氏によると、今後はロシア国営メディアのウェブサイトへのリンクがある投稿に注記をつける方針だという。

ポーランドとバルト3国首相、対策強化要請

 一方で、米テック大手の対策は不十分だとも指摘されている。CNBCやロイターによると、ポーランド、リトアニア、ラトビア、エストニアの4首相は2月27日、グーグル、ユーチューブ、メタ、ツイッターのCEO(最高経営責任者)に共同書簡を送り、対策の強化を求めた。

 首相らは「ロシア政府の前例のない攻撃に対処するために各社は多大な努力を払ってきたが、十分な成果を上げていない」と指摘。「侵略戦争や戦争犯罪、非人道的犯罪を否定、賛美、正当化するアカウントへの事前対応的な取り組み」を要求した。

 こうした状況についてニューヨーク・タイムズは、「各社はテクノロジー大手としての力量を試されており、難しい局面にある」と報じている。対策が不十分であれば批判を浴び、欧州や米国で規制当局からの締め付けが強まる可能性がある。一方で、ロシアでは事業停止に追い込まれ、巨大市場を失う恐れがあると報じている。

 (参考・関連記事)「フェイスブックやツイッター、露で通信制限受ける | JDIR