国連本部の前、トラックに表示されたメッセージ(写真:ロイター/アフロ)
米メタ(旧フェイスブック)や米ツイッターのSNS(交流サイト)がロシアでアクセスを制限されたと、米ウォール・ストリート・ジャーナルや米CNBCなどの米メディアが2月27日までに報じた。
メタ、ロシア当局の命令無視
メタはロシアによるウクライナへの侵攻を巡り、フェイスブックへの投稿に対しファクトチェックを行い、問題のあるものに注記をつけている。誤情報の拡散を防止するのが目的だ。また、プラットフォーム上での収益化を阻止するため、ロシア国営メディアによる広告出稿を禁止した。
こうした措置についてメタはロシア当局から中止するように命じられていたが、同社は命令を拒否した。これに対しロシア当局はメタの対応が違法な検閲だとし、国内でフェイスブックへのアクセスを制限した。ツイッターも同様の制限を課されているという。
メタの国際渉外部門担当社長であるニック・クレッグ氏はツイッターへの投稿で、「ロシアの一般の人々はメタのアプリを使って、自身を表現し行動を起こしている。 フェイスブック、インスタグラム、ワッツアップ、メッセンジャーを通じて引き続き声を届け、何が起きているかを共有してもらいたいと思う」と述べた。
YouTubeも国営メディアの広告禁止
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、米グーグルの動画共有サービス「YouTube(ユーチューブ)」もロシア国営メディアによる収益化を阻止するため、同様の措置を取った。
一方で、ウクライナのフョードロフ副首相は2月25日、米アップルのティム・クックCEO(最高経営責任者)に書簡を送り、ロシア国内で、アプリ配信サービス「App Store」を中止するよう要請した。フョードロフ副首相は書簡に「私たちはあなた方の支援を必要としています。2022年現在、テクノロジーは戦車やロケット砲、ミサイルに対する最善の答えです」とつづった。
これに対し、クックCEOはツイッターへの投稿で「ウクライナで起きている事態を深く憂慮しています。アップルは地域の人道支援活動をサポートしていきます」と返信した。
米テック大手、ロシアと西側から圧力受ける
ウォール・ストリート・ジャーナルは、米国のテクノロジー大手はロシアと西側の双方から圧力を受けていると報じている。「彼らのビジネスは地政学的な出来事によって圧迫されており、その傾向は近年エスカレートしている」(同紙)という。
同紙によると、米テック大手は現地の法律を順守するために支出を増やしている。これにより、売り上げが伸び悩み、利益が減少している。またサービスや情報へのアクセスが制限される中、企業は「自由な情報発信」という米国の価値観を後押しするべきか、相反する現地の法律を順守するべきかで揺れているという。
ある広告業界アナリストは、「企業はサービスを提供するために、以前より多くの人員を雇わなければならず、ビジネスの足かせになっている」と指摘する。
例えば、グーグルに対する各国政府からのコンテンツ削除要請は、15年から5倍の年約5万件に達した。フェイスブックに対する削除要請は21年6月末までの1年間で前年比4割増の約9万件となった。
ロシアにはSNS「VKontakte(フコンタクテ)」と検索サービス「Yandex(ヤンデックス)」があり、いずれの市場シェアもフェイスブックやグーグルより高い。だが、フェイスブックやグーグルにとってロシアは依然として巨大市場だ。
グーグルやフェイスブック、ツイッターで政策コミュニケーションを担当した経歴を持つニュー・ウェクスラー氏は、「広告市場の規模が小さな小国では一部の企業が政府の要求や規則を無視する場合があるかもしれないが、市場規模が大きい大国でその判断はより難しくなる」と指摘する。
(参考・関連記事)「フェイスブック、「米社会分断の原因」批判に反論 | JBpress」






