こうした動きは米西海岸の他のテクノロジー企業にも広がっている。米マイクロソフトのブラッド・スミス社長は3月4日、公式ブログへの投稿を通じ、ロシアで全製品・サービスの新規販売を一時停止すると明らかにした。「私たちはロシアによる不当でいわれのない、不法な侵略を非難する」とし、米政府の制裁決定に従い、あらゆる側面でロシアでの事業を停止すると述べた。
米テクノロジー大手がこうしたロシア封じを今後どれだけ進めるかが焦点になると、CNBCは報じている。
ウクライナでデジタル転換相を兼務するフョードロフ副首相は2月25日、アップルのティム・クックCEOに書簡を送り、アプリ配信サービス「App Store」の遮断も含め、ロシアでの事業活動を停止するよう求めた。報道によると、フョードロフ副首相はマイクロソフトの「Xbox」とソニーの「PlayStation」について、ロシア市場でのサポート停止と、ロシアとベラルーシの全アカウントを一時遮断するように要請した。
ロシア当局、フェイスブックを遮断
米メタ(旧フェイスブック)は2月28日、欧州連合(EU)域内でロシア政府系メディアへのアクセスを制限すると明らかにした。投稿内容のファクトチェックを行い、問題のあるものに注記をつけたほか、収益化を阻止するために政府系メディアによる広告出稿を禁止した。メタは全世界で政府系メディアのコンテンツの表示順位を下げる措置も取った。
こうしたメタの対応をロシアの通信監督庁は批判。ロイター通信によると通信監督庁は3月4日、ロシアメディアに対する「差別」があったとして、フェイスブックへの接続を遮断した。
これを受け、メタの国際渉外部門担当社長であるニック・クレッグ氏はツイッターへの投稿で、「何百万人もの一般のロシア人が信頼できる情報から切り離され、家族や友人との日常的なつながりを奪われ、沈黙させられる」と非難。「サービス再開のためにできる限りのことを続け、人々が安全かつ確実に自身を表現し、行動を起こせるようにする」と述べた。
TikTokやネットフリックスもロシア事業停止
他のテクノロジー企業も相次いでロシア事業の停止を明らかにした。ロイターは3月6日、中国系動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」がサービスを一時停止すると報じた。CNBCによると、動画配信大手の米ネットフリックスも同国でサービスを停止する。ネットフリックスはロシアでの番組制作なども見合わせた。政府系テレビ局などの放送の配信を義務付ける新たな規制に従わない意向も表明した。
このほか金融関連企業では、米決済サービス大手ペイパル・ホールディングスや米クレジットカード大手のビザ、マスターカード、アメリカン・エキスプレス(アメックス)などもロシアでの業務を停止すると表明した(CNBCの記事)。
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