米アップルがロシアでスマホ「iPhone」を含む全製品の販売を中断した。米ウォール・ストリート・ジャーナルや米CNBC、ロイターなどが3月1日に報じた。
「Apple Storeは現在閉鎖されています」
アップルはロシアで直営の実店舗「Apple Store」を運営していないが、同名のネット通販サイトは運営している。だが現在、購入ボタンを押すと「Apple Storeは現在閉鎖されています」とロシア語で表示される。
アップルは声明で「私たちはロシアのウクライナ侵攻を深く懸念しており、暴力に苦しむすべての人々の側に立っています。人道的取り組みを支援し、同地域のアップルのチームをサポートするためにできる限りのことをします」と述べた。
アップルはすでにロシアの販売チャネル向け輸出を停止しており、決済サービス「Apple Pay」のロシアでの利用も制限している。また地図アプリ「Apple Maps」でウクライナの道路交通情報などを表示しないようにした。市民の安全確保のためだという。
米調査会社のIDCによるとロシアのスマホ市場におけるアップルのシェアは15%。韓国サムスン電子と中国・小米(シャオミ)に続く3位で、今回の販売停止による影響は小さくないという。
政府系メディアのアプリ削除
これに先立つ2022年2月25日、ウクライナのフョードロフ副首相はアップルのティム・クックCEO(最高経営責任者)に書簡を送り、ロシア国内でのアップル製品と、アプリ配信「App Store」などのサービスの提供を中止するよう要請した。