「メタバースが次のフロンティア」
メタは次世代SNSを見据え、「メタバース」と呼ばれるVR(仮想現実)空間の開発に力を入れている。2021年7月にはこの分野に取り組む事業部門を設置。21年8月にはVR端末を利用する新サービス「Horizon Workrooms(ホライゾン・ワークルーム)」を約20の国・地域で開始。アバター(CGで作る分身)を通じて、異なる場所にいる利用者同士が同じ仮想空間内で会議などを開催できるようにした。
また、21年10月には、欧州で今後5年間に1万人を新規採用する計画だと報じられた。そして同月、社名をフェイスブックから「Meta Platforms(メタ・プラットフォームズ)」に変更。マーク・ザッカーバーグCEO(最高経営責任者)は「メタバースが次のフロンティアだ」とし、「現在と将来の事業をより反映する社名に変更した」と説明した。ウォール・ストリート・ジャーナルによると、メタは新部門への投資により、21年の営業利益が100億ドル(約1兆1500億円)減少するとみている。
VR・AR市場とは
VRはメタバースに活用される技術の1つだ。そしてハードウエア製品には、ビデオゲームなどに使われるVRヘッドマウントディスプレー(HMD)がある。この市場ではメタ傘下である米オキュラスVRの製品が75%のシェアを持つ。米調査会社のIDCによると21年におけるVRヘッドマウントディスプレーの世界販売台数は940万台だった。この台数は22年に1360万台に増えると同社はみている。
メタバースに活用される技術にはARもある。こちらは目の前の現実場面にデジタル情報を重ね合わせて表示する技術。IDCによると、21年におけるARヘッドマウントディスプレーの販売台数は32万5000台だった。22年の販売台数は135万台になると予測している。
市場規模は現在のところVRがARを大きく上回る。だがテック業界は近い将来、ARに大きな市場機会がもたらされるとみている。そしてAR市場では現在、マイクロソフトが他社を大きくリードしている。こうした背景から、マイクロソフトの技術者がヘッドハンティングの格好のターゲットになっていると指摘されている。
(参考・関連記事)「フェイスブックが目指す次世代SNS、メタバースとは | JDIR」