カードゲームを作るために東京に転勤することに

 実は岡本さん、このゲームを自分で作りたいと「ジョブ・チャレンジ制度」という自己選択型公募制度に応募し、広島から東京に転勤。現在はサステナビリティ推進部(旧CSR室)に所属している。

 この制度は、今いる部署に2年以上在籍していることを前提に、やりたいことがあり、その部署に行きたいと思ったら、その部署が募集をしていれば期間限定で働けるという制度だ。書類選考と面談で認められれば、次の年の4月から異動できる。期間は3年間。

 岡本さんは「このプロジェクトに携わる部署に行きたいと思って手を挙げ、実際にカードゲームの開発に業務として携わらせていただいています。広島が好きで出たくないと思って地域限定社員として働いていたんですが、思い切って応募しました。本社部署で働かせていただいていると新たな発見があるし、会社の仕組みが理解できて、これからの会社人生にも役に立つだろうなと思います。とはいえ、広島が好きなので3年間が正直ちょうどいいなと(笑)。戻ってからは、得た知識や情報を使って、地域貢献や社会貢献に携われる業務ができればと思います」(岡本さん)

 最後に今の思いを聞いた。

「本リリースは来年の1月ですが、既にファシリテイターに早くなりたい、ゲームに参加してみたいというお声を頂いていて、とてもうれしいです。自分の『思い』がある当社の取り組みは、営業部署にとって、いろいろなステイクホルダーとパートナーシップを結んでいくきっかけになるツールだと思っているので、できる限り多くの社員に参加してもらい、どんどん外に持ち出してほしいと思っています」(岡本さん)

 実はこのゲーム、本来なら今年の9月から全国を回ってお披露目する予定だったがコロナの影響で、スタートができなかった。しかし、オンラインの需要が生まれたことで、オンラインでも、このカードゲームができるようにし、より多くの社員が参加しやすくなっている。

 岡本さんの熱心な営業姿勢が社内の課題を発見し、さらには自社を誇りに思い、エンゲージメントを高めるきっかけを生み出すカードゲームを誕生させた。現場の声を吸い上げることが会社を強くするという好例といえるだろう。