2030年ビジョン実現の基本方針とDXの活用法

 出光興産は2030年ビジョン実現を目指す上での基本方針をどう定め、その中でDXをどのように活用していこうとしているのか。

「出光興産は、中長期的な経営環境が不透明な中において、いかなる環境変化に対しても柔軟に対応できるレジリエントな企業を目指します。そのための基本方針として、3本の柱があります」

 1つ目は「ROIC経営の実践」。出光興産が社会的責任を果たしていくためには、企業体質を筋肉質にし、リスク強度を高める必要がある。2つ目は「Open・Flat・Agileな企業風土の醸成」。多様な価値観を持つ従業員一人一人の多彩な力を発揮し、また化学反応を引き起こす狙いを持つ。そして3つ目は「ビジネスプラットフォームの進化」。 これは、ガバナンスの高度化とDXの進展を軸に進められている項目となる。

 木藤氏は出光興産のDXのコンセプトとして「人を中心に置き、人の育成を究極の目的として、デジタルの力でお客さまや地域社会に貢献していくとの思いで『Human-centered Trans(X)formation』というDXビジョンを掲げました」と語る。ここでも「仕事を通じて人が育ち、無限の可能性を示して社会に貢献する」という価値観が土台となっている。

 同社は具体的なDX活動方針として、上図にある3つの「共創」を設定している。1つは「ビジネスパートナーとの共創(Digital for Ecosystem)」で、企業間連携によって単独ではできない価値創造を可能にする。2つ目は「顧客との共創(Digital for Customer)」で、DXにより顧客に対する新たな価値の提供を目指す。そして3つ目が「従業員との共創(Digital for idemitsu)」で、DXにより従業員の新しい働き方の創造を追求するものである。

「当社の培ってきた技術や全国約6300カ所のサービスステーションネットワークなどのリソースに、デジタルの活用を組み合わせることによってよりシナジーを発揮し、従業員やビジネスパートナーの皆さま、そしてお客さまとともに、ビジネスプロセス全体をデジタル技術で変革させていきます」