こうした中、物流大手のサービスレベルが低下している。CNBCの別の記事によると、米フェデックスの21年9月における定時到着率は85.1%だった。米UPSは95.2%、米USPS(米郵政公社)は95.5%で、いずれも同年8月の水準から低下しているという。
物流停滞による品不足に対処するため、バイデン米大統領は10月中旬、ロサンゼルス港を24時間・休日なしの態勢に切り替えると発表した。フェデックスやUPS、小売大手の米ウォルマートや米ホーム・デポなどに協力を求め、夜間の港利用時間を増やして状況改善を図る。
アマゾンは先ごろ、繁忙期に向けて米国で15万人の季節労働者を雇用すると発表しており、年末態勢の準備を進めている。また、アマゾンの競合であるディスカウントストア大手の米ターゲットは10万人の季節労働者と約3万人の倉庫従業員を募集中。ウォルマートは年末商戦に向け15万人を追加雇用すると報じられた。
年末商戦前倒し、需要集中回避
一方で、米アドビのデータを引用したCNBCの記事よると、21年の年末商戦時はネット通販サイトの品切れ率が20年に比べて2.7倍に、19年に比べて4.6倍なると予想されている。
こうした事態に早期に対処するため、アマゾンなどの小売大手は前倒しセールを始めた。アマゾンは10月初旬に、感謝祭翌日のブラックフライデー(21年は11月26日)と同規模のセールを米国で開始。ターゲットや衣料大手の米ギャップ、家具・日用品大手の米ポッタリーバーンなども早期の販促を展開すると報じられている。
(参考・関連記事)「アマゾンが季節労働者15万人雇用目指すワケ | JDIR」