もし困ったら外部の力を含め、リソースを柔軟に考えることが重要

 一方、今回のプロジェクトはコロナ禍の中での立ち上げとなったが、想定外の苦労などはなかったのだろうか。

「結果として今回のプロジェクトは、メンバーと多くの作業をオンラインで行うことになりましたが、多岐にわたる関係者を会議室に集める日程調整の必要がなく、PMOにもタイムリーに相談できたので、むしろオンラインによるメリットを享受できたと考えています」 

 今回、PMに取り組んで、浅田さんはどんなことを学んだのだろうか。

「PMでは、どこまでに何をすべきか。そこから逆算して決めるべきことを決めていく。そして、ゴールまでの見通しをしっかり立てることが重要になります。その際、人材面で不足があれば、応援を得ることも方法の1つです。それは、社内でも社外でも構いませんし、短期間でも構わないと考えます。今回のように外部のPMOを入れるなど、リソースについて柔軟に考えることもプロジェクトを成功させる上で重要だと考えます」

 5月からスタートした「東京ガスのハウスクリーニング」。そこにかける浅田さんの思いを最後に聞いた。

「まずは、スピード感をもってサービスを立ち上げることができましたし、納得のいくサービスをつくることができたと考えています。まさにこれからお客さまにご利用いただいて、お客さまから本当に喜ばれるのか、しっかり確認していきたい。その上で、必要と判断すれば柔軟に見直しを図っていくつもりです。これからが本番だと思っています」

【取材を終えて】刻一刻と変わる状況を見て適切な判断を下すことが重要

 多くの企業で新規プロジェクトの立ち上げが活発になっていますが、「短期間のプロジェクトで期限は決まっているが中身が決まっていない」「走り始めたものの作業に追われ、全体の状況が見えない」といった声をよく聞きます。

 プロジェクトを成功に導くには「目的の明確化」「現実的な計画の策定」「状況の可視化」が不可欠ですが、スピード重視の風潮に伴い、プロジェクト管理をおろそかにする現場が再び、増えてきているのが現状です。

 特に、短期間のプロジェクトであればあるほど、リソース・スケジュール計画が大切になります。プロジェクト開始前に完璧な計画が立てられており、その通りに進めて終われるプロジェクトはほぼありません。

 だからこそ、刻一刻と変わるプロジェクトの状況を見て適切な判断を下すことがプロジェクトマネジメントには求められます。「急がば回れ」ということわざもありますが、要所要所で立ち止まって状況を整理する・柔軟に計画を見直すことが結果的にプロジェクト成功への近道になります。