システム開発に精通するメンバーがいなかった

 それと同時並行してシステム開発を開始したが、ここにPM遂行における大きな課題があった。ハウスクリーニングに関するビジネスアイデアはどんどん膨らむものの、自分たちがお客さまに届けたいサービスや、そのイメージをどのようにシステム開発に反映させればいいのか。どう伝えればいいのか。要件定義から始まり、その後の手順やテストまでを実施するのに必要な専門知識を持ったメンバーがチームにいなかったのだ。

「ハウスクリーニングのサービス提供は、当社のガスや電気契約の有無にかかわらず、どなたでもご注文をいただけることを前提としていたことから、システム開発は東京ガス本体のシステムから独立した形で進めていました。ベンダーさんとも直接やりとりしていたのですが、私たちにシステム開発に関する知見がなく、うまくコミュニケーションをとることができませんでした。どのように伝えればいいのか、どのように確認すればいいのか分からない。間を取り持つ専門家がいないという苦労を味わうことになりました。そこで社内IT部門に相談したところ、私たちの意図をきちんと伝えられ、分からないことをかみ砕いて翻訳してくれる、システム開発が分かる人材を間に入れた方がいいという話になりました」

 その役割を担ったのが、プロジェクトマネジメントオフィス(PMO)だった。通常、東京ガスグループにおけるシステム開発は、グループ企業の東京ガスiネットが担っており、今回はそこから紹介を受ける形でPMOを活用することになったのだ。

「以前よりPMOとして他プロジェクトの支援実績もあり、東京ガスグループの進め方を理解されていました。どこまでやればいいのか。あるいは、どこまで準備すればいいのか。システム開発の勘所についてアドバイスしていただくことになりました」