「少し無理してでも」はシステム開発では危険

 ただ、状況は改善したものの、スケジュール後半になって支障が生じた。年末にテスト販売をした際、システムの修正が必要なことが判明したのだ。

「できれば計画通りにサービスをリリースしたいという気持ちもありました。しかし、無理をしてお客さまに迷惑をかけては元も子もありません。また、こうした判断を柔軟に行わなければ、リリース後に不具合が出てビジネスに支障をきたす可能性もあります。結局、チーム全員と相談してリリースを1カ月延ばすことにしました」

 こうしたさまざまな苦労を乗り越え、無事着地を迎えた浅田さん。プロジェクトを振り返って、今どのような感想を持っているのだろうか。

「完璧を目指そうとし過ぎると、スケジュールの遅れにつながっていきます。問題点についても致命的なものでなければ、ある程度、目をつぶるなどPMをうまく推進するためには、判断の軸を持つことが必要です。また、ビジネスではスケジュールがタイトでも少し無理してやろうとか、ここは少し巻いても何とかなると思うものですが、システム開発でそれをやってしまうと、どこかにしわ寄せがきて、結果的に不具合が生じやすくなります。それを回避するためにも、要件定義をしっかり固め、適正なテスト期間をきちんと設けて検証を行うなど、今思えば当たり前のことですがその重要性が改めて分かるようになりました」

東京ガス暮らしサービス事業推進部サービス事業企画グループ共創サービス推進チームリーダーの浅田和美さん