「オープン」「アジャイル」と日本の課題

 IT化に密接に関わるプログラミングの世界でも、2008年に誕生した“GitHub(ギットハブ)”のようなオープンソースのプラットフォームが次々と登場しています。IT開発の世界でも、ソースコードなどの知を共有し、「オープン」で「アジャイル」(トライ&エラーを繰り返しながら迅速に進めること)な形で開発を進めることが、ますます求められるようになっています。

 このような傾向は、昨年(2020年)のコロナ禍の中で一段と加速しています。世界中で多くのエンジニアが在宅のまま開発を進めることを余儀なくされる中、インターネット上でソースコードを起用しながら「オープンソース」で進められるプロジェクトの数は、大きく増加しています。

オープンソース・プロジェクトの<7日間移動平均前年比>
出典:GitHub
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 世界が高度化し複雑化する中、一人の人間だけで解決できる問題はますます限られてきています。しかし、デジタル技術によって多くの知を動員することが可能になっている中では、むしろ、「解決すべき問題を作って提示する」ことがますます重要になってきています。

 では、このような環境変化に、日本は上手く対応することができるでしょうか。

 日本でも現在、「デジタル・トランスフォーメーション」の重要性が声高に叫ばれ、テレビコマーシャルでも「IT」「AI」「ビッグデータ」「グローバル」などの言葉が躍っています。しかし、日本は世界的にみて、デジタル化が進んでいる国とは決して思われていません。