マクロトレンドを包含した変革の道筋をつくる

 では、なぜSDGsを変革の道具として使うのか。

 何もない中でいきなり変革を考えましょうといっても先に進まないだろう。そこで、SDGsをうまく使い、こうした環境・社会・経済のマクロトレンドを包含した変革の道筋をつくるのだ。

 SDGsに本気で取り組もうとしたら、必然的にトップを巻き込んだ全社プロジェクトとなる。その中で社会価値と経済価値を両立させる変革のフレームワークができるのである。

 SDGsの重要なコンセプトの一つである「アウトサイド・イン」という考え方は、前述のようなマクロトレンドから将来のニーズや制約を明確化し、そこから思考するアプローチだ。まさに変革の道具としてうってつけである。

 また、変革の道筋をつくるためには次の問いに答えなければならない。

・なぜ今、変革が必要なのか

・どこに向かって変革するのか

・どのような変革プロセスをとるのか

・それに向けての課題は何か

 これらはSDGs推進活動のマテリアリティ(重要課題)を特定するプロセスの中で必ず考慮すべき内容である。SDGsを本気でかつ正しく活用することで必然的に変革の道筋ができるはずである。

 世はまさにSDGs一色である。経営トップはSDGsを活用して新たな価値創造に向けた変革を推進し、その取り組みを社内外に開示し、ステークホルダーから信頼され応援されるサステナビリティ経営を実践していただきたい。

コンサルタント 山田朗 (やまだ あきら)

日本能率協会コンサルティング
生産コンサルティング事業本部 品質革新センター シニア・コンサルタント
エネルギー管理士 エネルギー診断プロフェッショナル

生産、開発部門のコンサルティングを経て、環境分野を中心としたコンサルティングに従事。主要テーマ:環境・サステナビリティ経営戦略立案、環境マネジメントシステム(ISO14001)の高度化、LCAを活用した環境負荷の定量化と削減、温室効果ガス削減、省エネルギー推進(エネルギー生産性)、資源生産性向上支援およびSDGsを経営に活かす支援などを中心に活動。