ボッシュ、P&G、アマゾンが挑むAI時代の業態変革

現状維持は衰退、CES 2020に見る企業の「なりわい」革新

朝岡 崇史/2020.2.14

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「Lumi Pampers」ほか一連の製品群はIoTをテクノロジー基盤としたその商品設計から、単に製品に付随する消耗品を継続的に販売して利益を上げるジレットモデルではなく、「お客さまの近未来の体験の予測と改善提案をサービス化」して定額制のサブスクリプション型のビジネスモデルを指向していると考えられる。

 P&G「Life Lab」が目指すのはIoTを活用した「お客さま目線での新たな美容体験の創造」だけではない。その背後でビジネスモデルの刷新もプロジェクトの主要な構成要素の1つであることは明白だ。

【アマゾン】アレクサとAWSのクラウドで自動運転業へ「なりわい」拡張

 最後に紹介するアマゾンのアプローチは、今回、最も興味をそそられた。なぜならアマゾンはネット時代に一強多弱のデファクト型の競争ルールを作った張本人だからだ。

 しかもアマゾンは、EC通販業やクラウドサービス業から自動運転業への「なりわい」拡張にあたり、AI時代ではスタンダードになるであろう、デジュール(合議)型の戦略を器用にも採用し、共創するメーカーやサプライヤーにリスペクトを払っているように見せながら、したたかに地歩固めをしているように見える。

アマゾンは自動運転業への「なりわい」拡張にあたり、一強多弱のデファクト型を捨て、したたかにもデジュール(合議)型へのシフトチェンジをアピールしている(筆者撮影)

 アマゾンにとって自動運転ビジネス参入の有力な機会点の1つは、人間と自動運転車の有力なタッチポイントである「コミュニケーション」領域を抑えることである。ドアの開閉やエアコンの温度設定、ナビの目的地の指定、車内エンターテインメントの選択など、現在、ボタンやスイッチを介して行われている操作のほとんどが今後、人間と音声認識AIのやりとりにとって変わられるのは確実なので、それらをアマゾンの音声認識AI・アレクサが独占することを狙う。

 そればかりか、アマゾン傘下のスマートホームやオンライングローサリーのサービスとも連携して、車内の移動空間で家事やショッピングを「居ながらにしてこなす」ことも可能にすることで付加価値を高める戦略だ。