再チャレンジも歓迎、第2回に寄せる大きな期待

「日本オープンイノベーション大賞」は、第2回の開催がすでに決定している。第1回で集まった取り組みについて、事務担当として応募用紙全てに目を通したという石井氏は、「全体を通してクオリティーの高いものが多かった」と振り返る。また、受賞に至らなかった理由を事務局へ問い合わせる熱心な企業・団体も少なくなかったという。第2回に前回以上の盛り上がりを期待する。

 前回受賞を逃した取り組みでも、第2回で再評価される可能性は十分にあるという。第1回の受賞事例を分析し、ビジネスモデルをブラッシュアップして再挑戦する価値はあるだろう。

 加えて先に触れた通り、この表彰制度には「企業の新規事業担当者以外にもオープンイノベーションの意義や役割を浸透させる」という狙いがある。現在進行形で何らかのオープンイノベーション施策に取り組んでいるものの、社内で評価されていないと感じているのなら、応募しない手はない。

「賞の拡充も視野に入れ、より盛り上げていきたいと考えています。『どうやったら賞を取れるんですか?』という問い合わせをいただくこともありますが、全ての『一歩前に踏み出す』取り組みが、オープンイノベーションを後押しすると考えています。まずはどんどん応募していただきたい」と背中を押す。

 日本を変革へとドライブする日本オープンイノベーション大賞。賞に対する認知拡大と応募増によって、オープンイノベーションの気運は確実に高まっていく。

≪第2回 日本オープンイノベーション大賞≫
応募締切 2019年10月7日(月)18時

《第1回 受賞者一覧》
●内閣総理大臣賞
超多項目健康ビッグデータで「寿命改革」を実現する健康未来イノベーションプロジェクト

●科学技術政策担当大臣賞
大企業発のスタートアップ 「ミツバチプロダクツ(株)」の挑戦

●総務大臣賞
リアルタイム津波浸水被害予測システムの開発と運用

●文部科学大臣賞
基礎研究段階からの産学共創~組織対組織の連携~

●厚生労働大臣賞
医療のIoT化を実現するスマート治療室SCOTの開発

●農林水産大臣賞
宮崎県における産学官連携による公設試験場発ベンチャー企業「一般社団法人食の安全分析センター」の設立と残留農薬分析技術の社会実装

●経済産業大臣賞
「JR東日本スタートアッププログラム」を通じたイノベーションの社会実装チャレンジ

●国土交通大臣賞
東北インフラ・マネジメント・プラットフォームの構築と展開

●環境大臣賞
定期旅客便を利用した温室効果ガスのグローバル観測(CONTRAILプロジェクト)

●日本経済団体連合会会長賞
大企業若手有志プラットフォーム「ONE JAPAN」

●日本学術会議会長賞
再生医療等臨床研究を支援する再生医療ナショナルコンソーシアムの実現

●日本オープンイノベーション大賞選考委員会特別賞
・「レンタル移籍」による人材育成とイノベーションのエコシステム構築
・遺伝子組換えカイコによる新産業創出プラットフォームの構築
・骨置換型人工骨「サイトランス グランニュール」の開発と実用化