「つみたてNISA」の対象商品にも採用されており、ETFを含む全162本の投信のうち75本が資産複合型と呼ばれるバランス型になっています(2018年10月31日現在でインデックス投信を含む)。つみたてNISAからの資金流入も人気に拍車をかけた格好です。

効果を疑問視する声も

 こうしてみるとなかなか複雑でわかりづらいですが、バランス型投信を簡単に言うと、内外の株式・債券・リートなどに分散投資している投信。銀行や証券会社などでは「1銘柄で分散投資が実現するので、投資初心者が最初に買う投信として人気」と判断しているようです。

 投資初心者向けという評価が広がっているバランス型投信ですが、ファイナンシャルプランナーをはじめとする識者のなかには、その効果を疑問視する人が少なくありません。なぜでしょうか。

「投資資産全体として投資対象がわかりづらくなる」「税制優遇口座では期待リターンが高い資産に集中した方が有利」「超低金利下の現状では債券からのリターンが期待しにくい」「コストの妥当性が…」などが挙げられていますが、大きくは以下の3点に集約されそうです。

すでに分散投資している資産には効果が薄い

 1点めは欧州や日本のマイナス金利によって、債券からの利息収入が期待しづらくなっていること。バランス型投信の債券部分は、運用資産全体のリスク低減と安定的な収益源という役割を担っています。安定収益の機能が低下していることで、バランス型投信に投資する意味が弱くなっているということです。

 2点めは、投資配分を判断する難しさ。「守りに強い」とされるバランス型投信の多くが前述の「TAA型」「リスクコントロール型」で、株価下落が続くような局面でリスクを抑える効果が高いとされています。一方で、株価が上昇に転じたときに期待できるリターンは小さくならざるを得ません。また、市場環境に応じて投資配分を機動的に変更するのですが、そのタイミングを適切に判断するのは難しく、市場の後追い傾向になりがちです。