――現在社員は何人ぐらいいらっしゃいますか。

株式会社ARISE analytics代表取締役社長の家中仁(いえなか ひとし)氏。1993年 国際電信電話株式会社(KDD)に入社。2000年10月の3社合併、KDDI発足に先立ち、1999年に3社の社員が集まり設立されたモバイルコンテンツ企画室に異動。それ以降、WAP2.0対応モバイルコンテンツやGPSコンテンツ、ワンセグ、ビデオパスといった映像サービスなどモバイルを中心としたインターネットサービスの開発を担当。その後、コンテンツサービスのシステム保守、品質管理部門を経て、2017年4月 ARISE analytics設立に伴い、代表取締役社長に就任。

 約230人です。そのうちおよそ半数はアクセンチュアから来ていただいています。KDDIからは約30人。プロパー社員が7人。そのほかの会社からも業務委託や派遣契約で加わってもらっています。そのうちの約150人がデータサイエンティストです。データ分析を専業にしている会社としては規模が大きい方だと思います。

サイエンティストもコミュニケーション力が重要

 現在、プロパー社員の採用を積極的に行っていますが、KDDIからの出向者を増やしてデータサイエンティストを育成していくことも一つのミッションとしています。

 なぜなら、シニアデータサイエンティストの採用自体の難さに加え、スキルがあっても当社が求める人材像にはフィットしない、というケースもあるからです。ですので、いまは育成していくことにも注力しています。

――「御社にフィットしない」というのはどういうことでしょうか。

 さまざまなことに興味を持っていること、相手のことを尊重すること、言われたことを素直に吸収すること、この3点を持っている人は成長が速いです。当社にいるメンバーもそういう人がどんどん伸びています。地頭がよく、サイエンティストとしてのスキルが高い方がもちろん望ましいですが、それよりこのような3点の特性がないと当社の文化にフィットしません。

 クライアントとのコミュニケーションをしっかりとれるような人でないと厳しいということもあります。依頼された分析だけをするのではなく、クライアントの話を聞いて「課題の本質はなにか」ということを突き詰められることが大事です。そして「クライアントの課題の本質はこうであるため、こういったところを見るべき」であるとか、「このデータをベースに考えるとこういうことをやった方がよい」という提言ができる必要があります。アクセンチュアからのメンバーはその点が優れていると感じます。