CDOが多い業界として、まずは金融・保険業界が挙げられる。また、デジタルによりカスタマーエクスペリエンス(顧客体験)が変化しつつあるファッションや雑貨などの小売業界もCDOが多いようだ。金融業界のCDOの多くはテクノロジーをバックグラウンドとしている人が多く、顧客接点の多い小売業界のCDOは、ビジネスやデジタルマーケティングをバックグラウンドとしている人が多い。デジタルトランスフォーメーションを進める上では、この「テクノロジー」と「ビジネス」という両方の視点を持っていることが重要なのだ。

 CDO Club Israelの特徴的な活動の一つとして、週に一度、同団体メンバーであるイスラエル国内のCDOやデジタル戦略のリーダーと、スタートアップをつなげるミーティングの機会を設けていることが挙げられる。大手企業と協業することで、スタートアップはビジネスモデルの実証を早い段階から行うことができ、それと同時に失敗することも学ぶ。

 Kama氏は、「失敗する経験」こそがスタートアップそのものであり、ネイチャー(本来の姿)である、と強調する。早い段階で失敗し、そこから学び、アジャイル(機敏)に改善していく。このプロセスの繰り返しと、“Fail First, Success Big Later”という考え方こそが非常に重要であるという。

 デジタル時代において、組織はアジャイルに動いていく必要があり、大手企業はその失敗を協業の中でサポートしつつ、スタートアップが持つカルチャーを学び取ることで互いに成長していく。この関係性こそが、イスラエル国内のエコシステム全体に恩恵をもたらしている。「イスラエルが世界に輸出することができる最大のものはイノベーションです」と Kama氏が語るのも、イスラエルという国に構築された強固なエコシステムに対する自信の表れだろう。