2018年11月にイスラエルで開催された「CDO Club Israel Summit」の会場
デジタル分野で最近大きく注目されているのがイスラエルだ。人口約870万人、四国ほどの小さな面積の国に、デジタル分野を中心としたスタートアップ(ベンチャー企業)約2万5000社がひしめき、「第二のシリコンバレー」と呼ばれるほどだ。
なぜイスラエルが注目されるのか。イスラエルに行って現地で見聞きしたことをもとに、その要因を探った。
CDO Club Globalは、組織の中でデジタル/データ戦略をリードするCDO(Chief Digital/Data Officer)を集めた世界で唯一の会員制コミュニティである。筆者の所属するCDO Club Japanはそのパートナー組織だが、イスラエルにもCDO Club Israelがある。今回、同団体が主催するイベント「CDO Club Israel Summit」にあわせて、2018年11月、筆者はイスラエルを訪れた。
日本と異なりスタートアップの割合が多い
CDOサミットはCDO Clubが主催して世界各地で開催するイベントで、日本ではCDO Club Japanが「CDO Summit Tokyo」を開催している。
今回イスラエルで開催されたCDOサミットを日本のCDOサミットと比べた最大の違いは、スタートアップからの参加者の割合がかなり多いことだった。
イスラエルのCDOサミットの参加者は約500人。この中で実際にCDOの肩書きを持つ人は数人、企業で部長などを務める人が3分の1ほど。そして残りの出席者がスタートアップの創立者かそこで働く人たちだったのだ。さらに、講演者も多くがスタートアップからだった。