「CDO」という役職をご存じだろうか。

 CDOはChief Digital Officer(最高デジタル責任者)またはChief Data Officer(最高データ責任者)の略だ。CEO(最高経営責任者)やCOO(最高執行責任者)が組織の業務執行を統括するように、CDOは組織のデジタル変革を経営の視点で推進する役割を担う。

 欧米では、CDOという役職が4~5年前から使われ始め、すでに多くの組織(企業だけでなく行政や公共機関なども含む)がCDOを設置している。主にCDOを対象としたコミュニティであるCDO Clubが把握している範囲で、CDOという役割を担う人材はすでに6000人を超えている。このことからも、世界的には一般化した役職であることがわかると思う。

 一方、国内ではこれまで実際に「CDO」という肩書きを持つ人がほとんどいなかった。ところが、2018年に入り、まさに「CDO元年」と言えそうな動きが出てきている。筆者が所属しているCDO Club Japanの調べによると、2018年に入ってから、国内企業でCDOまたはそれに類する肩書きを任命された人が少なくとも40人に増えたと見られる。

 必ずしも肩書きが、その人のミッションを適切に表すものとは限らないが、国内でCDOという肩書きが増えているということは、それだけデジタル変革の必要性を痛感している組織が多くなっている、ということを示している。