「謙虚と笑い」を生むオトナの余裕として
一方の発注側である若手の気持ちをイメージしてみましょう。自分より20~30年もベテランの外部協力者と一緒に働くのって面倒でしょうね。できたら避けたいと思っても無理はありません。
49歳11カ月という史上最高齢で将棋の名人位を獲得した故米長邦雄氏は「勝利の女神は謙虚と笑いを好む」という言葉を残しています。若い人からあなたに仕事を発注してもらうためには、業務のクオリティや対価が適切であることはもちろん、「あの人と一緒に働くのは何か楽しい」と思ってもらうのが近道でしょう。
以下に、定年後にフリーランスとして再出発するときのポイントを、筆者自身の経験を加味しながらまとめました。主にお金や資産形成に関するテーマに絞っていますが、「謙虚と笑い」を生むオトナの余裕を身に付けるヒントになるかもしれません。
1.「給料の3倍稼げ!」は気にしない
かつて、独立する人がよくいわれた言葉。「前職給料の3倍稼いで、生活水準はようやく前職並み」。これはなかなかハードルが高い。額面月収50万円なら、求められる月間売上高が150万円になりますから。
3倍という数字は、若い人がフリーランスから起業して成長することが前提になっていると思います。年金収入がある場合、そこまでシビアに考えなくても大丈夫でしょう。当初から給料の3倍稼ぐことを想定していたらフリーランスでの新しい一歩は踏み出せません。
2.退職前に準備したい“隠し資金”と各種口座
フリーランスはお金がかかります。案件によっては外注費が入金前に発生するし、立ち上げ期にはパソコンや通信費、事務用品などの設備代や消耗品費がかさみます。