ミサワホームは2016年12月21日に東京・渋谷にあるミサワホーム渋谷展示場にて「IoTワークショップ」を開催した。ここではIoTを活用したデバイスがさまざまに展示されていたので紹介していこう。
カーテンを自動操作。「mornin'」で快適な目覚めを
まずはロビットが手がける「mornin'」。これはカーテンレールに取り付けることでカーテンを自動的に操作することができるというもの。mornin'はアプリで操作することが可能だ。
同社によると、朝起きられない理由は主に、深い睡眠から無理矢理起きたことによる「睡眠慣性」であるとのこと。睡眠慣性とは目は開いていても脳が起きていないうとうとした状態を言う。これを解消するのは太陽光を浴びることだ。
これにより睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を抑え、体を起きるモードに変えてくれる。mornin'で朝、自動的にカーテンを開けて太陽光を呼び込むことで、快適な目覚めを得られるということだ。
なおmoronin'は接続しているスマートフォンが近くにない場合でも設定時刻に動作するため、長期不在時にもカーテンを開け閉めしてくれるので、防犯上にも役立つだろう。設定は「平日は朝7時、休日は朝8時に開ける」など、曜日ごとに設定することもできる。スマートフォンをリモコン代わりに利用することも可能だ。
特定条件で発動するIoTプラットフォーム「myThings」
ヤフーが展開するIoTのプラットフォームは「myThings」アプリ。これは特定の条件が発動されたらユーザーに通知するなど、イベントとアクションをつなげて利用するというものだ。例えば「熱中症の危険度が高まったらプッシュで通知する」、「最高気温が35度を超えた日にツイートする」などといった具合だ。
この仕組みはIoTにも活用できる。開発しているサービスやプロダクトと、WebサービスやIoTデバイスをmyThings経由で組み合わせることで、独自のサービスを生み出すこともできるというわけだ。自社で開発している家電と組み合わせて、日用品の買い物情報を表示させたり、天気予報と組み合わせて明かりをコントロールしたりといったことが可能となる。
なおmyThingsを使ってサービスを開発するための「myThings Developers」というツールがあり、現在はβ版を提供中。このβ版は非商用目的に限り、契約や料金不要でサービスを作って提供することができる。
正式版は2017年春の提供を目指しており、「トライアル」と「ビジネス」の2つのコースが用意される。トライアル版は無料で利用できるが、ビジネス版は一定ユーザー数以上は有料になるほか、利用内容によってはオプション料金が発生するとのこと。
追加の配線工事は必要なし! ネットで調光するNetLED
NetLEDは、インターネットを経由して照明器具を操作するデモを展示していた。同社の製品の特徴は、無線を使用した調光制御なので、追加の配線工事などが必要ないこと。従来の有線調光システムと比較して低コストで導入できるのがポイントだ。
ユカイ工学とNisshaがコラボレーションしたプロダクト「mui」
ユカイ工学の「BOCCO」は、現在すでに2万9,000円で販売されているコミュニケーションロボット。吹き込んだ声を「こえ文字メール」として送信したり、振動センサをドアに取り付けることで、子どもの帰宅をスマートフォンに伝えたり、鍵センサを使うことで、鍵の閉め忘れをチェックしたりといったことが可能。
今回はIoTのデモとして、ユカイ工学とNisshaがコラボレーションしたプロダクト「mui」の試作品を展示していた。muiは、サイネージを仕込んだ壁にタッチパネル機能を持たせ、天気などの情報を表示させたり、BOCCOを利用してメッセージをやりとりするといったもの。
ミサワホームは今後もIoTと住宅を組み合わせたさまざまな仕組みを、ユーザーの動向を見ながら展開するとのこと。普通の住まいにIoTが浸透していくのも時間の問題だろう。