2015年に「今の子どもたちの65%は、大学卒業時に、今は存在していない職業に就く」と予測を立てたのはキャシー・デビットソン(ニューヨーク市立大学大学院センター教授)。AIなどの進化で多くの仕事が自動化されるなどとも言われているが、2017年に求人が増える5つの職業を外資系人材紹介会社のヘイズ・スペシャル・リクルートメント・ジャパンが発表した。
2017年に求人が増える5つの職業
1.バイリンガルのカスタマーサポート
東京オリンピックを3年後に控え、旅行・観光業界などによるバイリンガルのカスタマーサービスの求人が大幅に増える見通し。
2. インダストリアル・インターネット技術者
「インダストリアル・インターネット」は産業機械をインターネットと結びつけてビッグデータを解析し、顧客に新たな価値をもたらす製造業のIoT(IIoT)を指す。インダストリアル・インターネットの技術者には、機械の知識とデータサイエンティストのスキルが求められるので、求人が多い一方で必要なスキルを持った人材が極端に少ない「人材ミスマッチ」が深刻になると予想。
3. AI(人工知能)・ロボット工学技術者
AI・ロボット工学の分野では、多国籍企業が欧米の本社と歩調を合わせて開発を進めるために、国内の優れた人材を採用しようとしており、エンジニアや研究者の需要が極めて高まると予想。
4. 自動運転の技術者
自動車業界では自動運転など最新技術の開発競争が激化。こうした中、業界における人材の争奪戦が更に激しくなると予想。
5. データサイエンティスト
データサイエンティストは企業に集まる膨大なデータを分析し、経営に必要な情報を導き出す職業で、さまざまな業界がビッグデータの活用を進めていることから求人が増加傾向。一方で統計学、コンピュータサイエンス、ビジネススキルなど高いスキルが必要なため深刻な人材不足で、2017年もこの傾向は続く見込み。
技術の進化やAIの普及で需要が減る職業もある一方で、このような多くの新しい職業が増えている。興味深いのは、1を除くすべてが「IoT」という大きな傘の下にあるということだろう。IoTのビジネスが徐々に本格化しているとも言えそうだ。