米国マサチューセッツ州ボストンにあるボストン・レッドソックスの本拠地、フェンウェイ・パーク(出所:Wikipedia)
ボストン・レッドソックスの上原浩治投手が投げるストレートの球速は、メジャーリーグのピッチャーの平均速度よりも劣る。それなのにメジャーリーグの強打者に打たれないのはなぜか?
最先端のセンシング技術を用いて上原投手のストレートを解析したところ、思わぬ事実が明らかになったという。
11月21日、野村総合研究所(NRI)は「これからICT・メディア市場で何が起こるのか」と題するメディア向けセミナーを開催した。ICT(情報通信技術)分野を専門とするNRIのコンサルタントたちが登壇し、2022年までの市場トレンドの予測を解説した。冒頭の“上原投手のストレートの秘密”は、その中で紹介された、スポーツの世界における先端的なICT活用の事例である。
市場トレンド予測の取りまとめ役となったICT・メディア産業コンサルティング部 上級コンサルタントの阿波村聡氏は、日本が真のICT先進国になるためには「守りのICTから攻めのICT」へと意識を改革することが必要だと唱える。
その際、企業がぜひとも身につけなければいけないのが、ユーザーの側の視点である。阿波村氏は、「これまでのように『ICTを使って業務どうを効率化するか』を考えるだけではなく、新しい技術によってどんなサービスを実現できるのか、それをユーザーはどのように活用するのかなどについて検討する視点を持つことが重要」だと指摘する。
2極化していくVRの活用
最先端の新しい技術を使うことで、どのようなサービスの創出が考えられるのか。
同部の副主任コンサルタント、山岸京介氏は、一例としてVR(Virtual Reality:仮想現実)技術を使ったサービスの可能性を紹介する。