独裁主義者政権下の軍人や警察はどこもおなじなのだろうが、ロシアの警察は子どもでも容赦しない。3月9日、教師から侵攻支持の絵を描くよう指示されたにもかかわらず、「戦争反対」「ウクライナに栄光あれ」と書いた13歳のマリア・モスカリェワを更生施設に送り込んだ。

 13歳の少女が、ロシア人のバカな男たちよりもよほど立派という事例だが、彼女が捕捉されたのも、教師や生徒からの密告だったのか。

ナワリヌイがロシア人におくるメッセージとは

 映画『ナワリヌイ』のロアー監督に、もし逮捕され投獄されるか殺されるとしたら、ロシアの人々にどんなメッセージを残すか、と訊かれたナワリヌイは、こう答えている。

「仮に僕が殺された場合のメッセージは“諦めるな”だ」「僕が命を狙われたのは、僕らが信じられないほど強いからだ。(略)僕らが持っている巨大な力は悪い連中に押しつぶされている。本当は強いのに僕らに自覚がないからだ。悪が勝つのはひとえに善人が何もしないから。行動をやめるな」

 ナワリヌイはこういって、最後に笑った。

 すでに書いたように、ナワリヌイは現在刑期9年で服役中。しかし刑期は最大20年になるおそれがあるという。