(写真:REX/アフロ)

 米アップルのアプリ配信サービス「App Store」を巡り、人気ゲーム「Fortnite(フォートナイト)」の開発元とアップルが争っていた反トラスト法(独占禁止法)訴訟で、米連邦控訴裁判所(日本の高裁に相当)は4月24日、アップルによる市場独占を認めなかった一審の判決を支持した。米ウォール・ストリート・ジャーナルロイター通信米CNBCなどが報じた。

10項目中9項目でアップルに有利な判決

 争点となっていた10項目のうち9項目で再びアップルに有利な判決が下された。これを受け、アップルの広報担当者は「アップルが州と連邦レベルで反トラスト法を順守しているという判決が2年で2回下された。この訴訟におけるアップルの圧倒的な勝利を再確認するものだ」と述べた。

 この法廷闘争の発端は2020年8月だった。フォートナイトの開発元である米エピックゲームズは、アップルが徴収しているApp Storeの手数料が法外だとし、課金を回避するため独自決済システムへのリンクをアプリ内に設けた。アップルはこれが規約違反にあたるとしてフォートナイトを配信停止にする措置を取った。その直後にエピックがアップルを提訴。アップルは同年9月にエピックを反訴した。

 エピック側は裁判所に対し、モバイルアプリ市場におけるApp Storeの独占を認定するよう求めていた。だが、連邦地裁判事は、争点となる市場を「モバイルゲーム」に限定。同市場におけるアップルのシェアは50%台程度にとどまるとした。そのうえで「アップルは高い利益率の恩恵を受けているものの、これらの要素だけで反トラスト法違反を証明することはできない。成功は違法ではない」と結論付けた。