危機感が希薄な日本政府

 もし、この問題が国際司法の場に持ち込まれたら、どう転ぶかわかりませんし、相手がどういうロジックを展開するかもわかりません。

 この問題に関して日本人の多くは、国際世論が日本に味方してくれると思っているように見えますが、まったく油断できないのです。

 また「時効だから大丈夫」という意見もありますが、そうではありません。

 1968年の第23回国際連合総会で採択された「戦争犯罪及び人道に反する罪に対する時効不適用に関する条約(Convention on the Non-Applicability of Statutory Limitations to War Crimes and Crimes against Humanity)」では、人道犯罪に時効はないと取り決められています。

 韓国がこの条約を基に「不法な植民地支配」を人道犯罪と結び付けて訴えれば、国連や国際社会がどう反応するかはわかりません。国際世論に正論が通じるとは限らないのです。

 にもかかわらず、日本政府はこういうことにキチンと備えをしているのか疑問であり、危機感が希薄なように見えます。