このうち『色情地獄論―草津の赤鬼の霊言―』には、「草津の赤鬼」が降りてきて大川隆法が語った内容に以下のようなものがある。

【何か一昔前は、いちおう「オカマ」みたいな感じ、「オカマ」「レズ」みたいな感じのがちょっとあったけど、最近はもうそんなんじゃなくて、もっとストレートに「LGBTQ」とか言うて、もう「変態を〝本態〟だとせよ」というような感じの運動が、ちょっと今、地上で多いので、かなり来てますよ。

 だから、もう、これらは“釜茹で”だよ。まずは釜茹でから入らないと、あかんですね。

「もう熱々で入ってられない」っていうお湯から出さない。そこから出ようとしたら、頭をカツーンっていわせて、「まだまだ茹で上がっとらん」っていう感じで、まずやらせないと。】

【もうこれは、男女の間を乱しただけの問題じゃなくて、人間として狂うとるんじゃないかと思うものがいっぱい、「人権」とか「権利」とか「自由」とか称してやっとるんだけども。】

【こんな奴はねえ、まずは鉄拳制裁しか、もうないんで。釜茹でにして、鉄棒でガンガンに殴って、「ごめんなさい、ごめんなさい」と言い出すまで、まずはやらないと駄目なんで。「ごめんなさい、ごめんなさい」と言い出したら、「何がごめんなさいなんだ」っていうことを言わせる。で、何が違ってるのかを言わせる。】

【要するに、自由には責任が伴う。「個人でやっとることは関係ない」と思うかもしらんが、社会に対して影響は、必ずみんな与えるものがあるんだから、悪い影響を与えて、ほかの人を悪に巻き込んだり堕落に巻き込んだりするような生き方をした場合は、その責任はその分だけ余分に増えるんだということだわな。】

【こんなのを「戸籍で受け付ける」とかいろいろ言うとるけど、いや、こういうものは、もうそろそろ許さない。「許さない世界」なんで。】

 また、続編の『色情地獄論②―草津の赤鬼 戦慄の警告―』には、以下のような記述が目を引く。

【だいたいさあ、何か、男が男にセックスをするとかいうような、あんな“味噌漬け”みたいなのを「法的に認めろ」なんていうのは、もう狂っとるというのが、なんで分からねえんだ。

 なんで国会議員とかさ、県議会とか市議会で、そんなもんが通ったりするのか。ちょっと狂っとるんじゃないか? だから、もう議員だって狂うとるんだよ。裁判官だって狂うとるんだよ。もう本当に、いやあ、この世が狂っとるから、気をつけないといかん。】

 さらに、同書の「まえがき」には「幸福の科学グループ創始者兼総裁 大川隆法」の名義で、以下のように書かれていた。

【今、西欧民主主義国家は「LGBTQ」をなだれを打って合法化しようとしている。日本も同じだ。だが性欲で道を外したものは、来世、色情地獄へ赴く。それは人権擁護とは相容れないものだ。】

 これらの著作は一般書店でもアマゾンでも購入することができる。

幸福実現党は「寛容を旨とする宗教政党」を自任しているのだが……

 確認しておくが、この教団組織が2つの中高一貫校を運営している。創設者の大川隆法が度々訪れて法話も行う。

 昨年7月の参議院選挙において、比例代表で立候補した『幸福実現党』は、14万8020票を得ている。同党の綱領には「宗教政党としての『理想国家』の実現」を掲げ、「寛容を旨とする宗教政党として、国民が精神的な豊かさを享受し、経済的にも繁栄する理想的な国家を目指します」とある。だが、大川隆法の「霊言」にあるような主張はなかった。

 首相秘書官の更迭は、国内外で反響を呼んだ。海外メディアは、G7(主要7カ国)の議長国でありながら、日本の性的少数者への対応が遅れていることを批判的に伝えている。

 さらには、東京地裁は昨年11月に、日本に同性婚を認める法制度がないことは「違憲状態」と判断している。

 昨年秋の臨時国会では、「統一教会」(現・世界平和統一家庭連合)の解散命令をめぐって、宗教法人法第81条にある宗教法人の解散事由、すなわち「法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為をしたこと」「宗教団体の目的を著しく逸脱した行為をしたこと」が議論されたことも記憶に新しい。

「多様性を尊重し包摂的な社会を実現していく」と強調する岸田政権だが、こうした宗教法人も税制上の優遇などで国が手厚く保護している。

 これが今年5月に広島サミットを控えるG7議長国の実態なのだ。

(文中一部敬称略)