岸田政権に甘かった大マスコミは、ようやく閣僚のドミノ辞任や「防衛増税」を取り上げて、「求心力低下」「厳しい政権運営」などと合唱しているが、今さら感が否めない。官僚たちを「のびのび」と表現した毎日新聞に象徴されるように、大マスコミはあれほど褒めていた責任には触れないのだろうか。まずは岸田政権に甘かった過去の反省から始めてもらいたい。

長男の首相秘書官も更迭か

 30%前後をウロウロしている低い内閣支持率、閣僚ドミノ辞任等で苦境にあるとはいえ、岸田首相の新年早々の心境は晴れやかだと想像できる。今年は、本人が得意と思い込んでいる外交行事が目白押しだからだ。

 5月19~21日に広島市で開催するG7サミット(先進7か国首脳会議、通称「広島サミット」)に向け、岸田首相は1月上旬、イギリス、フランス、イタリアを訪問する意向だ。この欧州3カ国の訪問後、大西洋を渡ってバイデン米大統領との日米首脳会談に臨むのが理想のシナリオとなる。このほか、ダボス会議(1月16~20日)への出席も検討しているもようだ。通常国会は1月27日の召集が有力とみられる。通常国会は当然ながら、厳しいものになるはずで、特に「防衛増税」については、与党内の反発もまだ収まっていない。

 ただし、国会審議で岸田政権が追い詰められても退陣には至らない。後述するが、菅義偉前首相が静観している限り、岸田政権は継続する。

 さて、通常国会でポイントとなりそうなのが、岸田首相の長男であり、首相秘書官を務める翔太郎氏(31)の存在だ。