(湯之上 隆:技術経営コンサルタント、微細加工研究所所長)
サムスン電子が再び1位に
米調査会社のガートナーが2022年1月19日、2021年の半導体メーカー別売上高ランキングトップ10の速報値を発表した(注1)。その速報値を基に、グラフを作成した(図1)。
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なお、ガートナーはファンドリー(半導体の受託生産企業)をランキングにカウントしない。そこで、台湾TSMCを同社の決算報告書のデータを基に図に付け加えた。また、日本のキオクシアはトップ10から陥落してしまったため、比較検討できるように、2021年12月20日にIC Insightsが発表した売上高ランキングの予測値のデータを使ってキオクシアも同図に加えた(注2)。ちなみに、IC Insightsの予測では、キオクシアの世界順位は15位になっている。
改めて図1を見てみよう。2021年の売上高ランキングにはどのような特徴があるだろうか。まず、何といっても2018年以来2年ぶりに韓国サムスン電子がインテルを抜いて1位に返り咲いたことが挙げられる。また、2011年以降、インテル、サムスン電子、TSMCの3社がトップを独占するようになったため、この3社を「ビッグ3」というようになった。このビッグ3は2021年も大きな存在感を示している。
一方、2020年に対する2021年の成長率を見てみると、50%を超える半導体メーカーが4社もある。上位から、米クアルコム(52.3%)、台湾メディアテック(58.8%)、米NVIDIA(52.7%)、米AMD(64.4%)の4社である。いずれも、設計専門のファブレスであることが特徴的である。