(筆坂 秀世:元参議院議員、政治評論家)

国会議員にいくら国費が投入されているか

 国会議員の歳費や諸手当は多すぎる。「国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律」によれば、「議員は129万4000円を、それぞれ歳費月額として受ける」とある。一般的に言えば給料である。これに6月と12月に期末手当が支給される。最近で言えばそれぞれ300万円強である。合算すると年間2150万円を超える額が支給されていることになる。

 この他に、いま問題になっている「文書通信交通滞在費」が議員個人に月額100万円、年間1200万円支給されている。これですでに3350万円になる。

 この他に「立法事務費」というのがある。これは国会の各会派に支給される。会派とは、議院内で活動を共にしようとする議員のグループで、2人以上の議員で結成することができる。会派は、同じ政党に所属する議員で構成されるのが普通だが、政党に所属していない議員同士で会派を組んだり、複数の政党で1つの会派を構成したりすることもある。委員会の委員・理事、質疑時間の割り当てなどは、会派の所属議員数に比例して会派ごとに割り当てられる。現在の衆議院で言えば自民党は単独で会派を構成しているが、立憲民主党は「立憲民主党・無所属」という会派名で届け出ている。

 この会派に、議員1人当たり毎月65万円の立法事務費が支給されている。自民党の場合だと衆議院の議席数は262人なので毎月1億7030万円が支給されている。衆議院全体だと議席数が465だが無所属が4人いて、会派を構成していないので461人分の2億9965万円が支給されている。参議院は、会派を構成している議員数が235人なので毎月1億5275万円が支給されている。立法事務費だけでも毎月衆参両院に4億5000万円以上が支給されている。年間約54億円だ。