日本にもパレスチナを支援する組織や人が多くいる。しかし彼らの支援の多くはテロ組織の懐に入り、テロのインフラ建設に使用されたり、幹部の豪奢な生活に「転用」されたりするのが実情だ。米トランプ政権がパレスチナへの拠出金を停止した主な原因も、これである。

 メディアはイスラエルがガザを封鎖しているせいで、ガザの人々は貧困にあえいでいると強調する。しかしイスラエルがガザを封鎖したのは、ガザからパレスチナ自治政府の治安部隊を追放して武力制圧し、実効支配を続けているハマスのイスラエルに対する無差別攻撃が原因であり、ガザの人々の生活苦はハマスの「搾取」によるところも大きい。

子供や女性を「人間の盾」にするのも正当化

 ハマスの罪は他にもある。パレスチナの子供の人権擁護NGOであるDCIPは5月11日、前日にガザから発射されたロケット弾が飛距離不足でイスラエルに届かずガザに着弾し、子供2人を含むパレスチナ人8人が死亡し、子供10人を含む34人が負傷したと伝えた。パレスチナ人の死者の中には死因が特定できないケースが多い、とも伝えている。ハマスは「弱きパレスチナ人を守る正義の味方」どころか、パレスチナ人を自ら殺しているのだ。

 ハマスは子供や女性を「人間の盾」として利用することも厭わない。イスラエル軍は今回の作戦でも、ガザの学校や病院にハマスの「テロ・トンネル」の入り口があるのを多く確認したと報告している。ハマスは弱者を隠れ蓑にする卑怯者でもある。

 ハマスのガザにおける指導者であるヤヒヤー・シンワールは、2018年にパレスチナ人の帰還権を求めてイスラエルとの境界線付近で行なわれた大規模デモ、いわゆる「帰還の行進」について、「これらの行進に乗り出すことを決めた際、私たちにとって最も大切なもの、つまり女性や子供たちの体を、アラブの現実の崩壊を阻止するダムにしようと決めたのだ」とアルジャジーラとのインタビューで語った。境界線付近はイスラエル軍との衝突が頻発する危険地帯である。