米国の広告市場で、昨年のインターネット広告の売上高が過去最高の260億ドルとなり、ついに新聞広告を上回った――。
米インターネット広告業界団体のインタラクティブ・アドバタイジング・ビューロー(IAB)と米プライスウォーターハウスクーパース(PwC)が13日までにこうした統計をまとめた。
それによると、昨年の米広告市場は、テレビ広告(全国・地方放送)が286億ドルで最大。インターネット広告はこれに次ぐ規模となり、この後、新聞(228億ドル)、ケーブルテレビ(225億ドル)、ラジオ(153億ドル)などが続いた。
米国のネット広告市場は景気低迷のあおりを受けて2009年に前年比3%減と落ち込んだが、ここに来て回復傾向にある。
昨年の伸び率は15%と、2008年以前の20~30%に比べると勢いはないが、IABの担当者は「四半期ベースで見ても売上高は5四半期連続で伸びており、我々は安定成長へと向かっているようだ」と話している。
消費者は米フェイスブック(Facebook)などのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)や、米ネットフリックス(Netflix)のような映画のストリーミングサービスなどに時間を費やすようになっており、ネット滞在時間が増えている。これに伴って広告収入も伸びているという。
ディスプレー広告が急伸
広告形態別に見ると、昨年最も売り上げ規模が大きかったのは、米グーグルが市場を支配している「検索連動型広告」で、金額は120億400万ドルだった。
この後をバナー広告などの「ディスプレー関連広告」(99億600万ドル)、求人や不動産案内などの「クラシファイド広告」(25億9700万ドル)と続いている。
検索連動型広告のシェアは依然として高いが、興味深いのはディスプレー広告が急速に伸びているここ最近の傾向。その前年比伸び率は24%となっており、市場全体に占める割合は前年の35%から38%に増えた。