顔が大きくて、一目でオスと分かる猫と出会ったので、「男っぷりがいいねー」と声をかけると、「そう?」と立ち止まり、「ついてきて」というようにシッポを振りました。

 彼についていくと、「ここで、ごりごり、ごろんごろんすると気持ちいいんだ」と、お得意のポーズを見せてくれました。どうやら石畳の補修工事を控えている道のようです。

 街角で友だちと待ち合わせをしているような雰囲気です。「ブーゲンビリアの家の角ね」なんて、約束したのかな? 友だちが早く来るといいね。

 この猫は、外に出るのが好きだけど、家の車の屋根以外にはどこへも行かないと飼い主さんが話してくれました。子猫のときに近所のボス猫に意地悪をされた経験があり、それ以来、路上を歩くことをしなくなったそうです。でも、車の屋根から近所の猫情勢の把握に務めています。