マット安川 初登場の自民党・佐藤ゆかり参議院議員。現政権が抱える「経済無策」の分析と指摘、そして「これからどうすればいいのか」を明確に語っていただきました。なにより経済を語るときの佐藤さんが、いつにも増していきいきとして、目が輝いてくるのが印象的でした。

民主党政権は経済無策。社会主義的で非常に危険

「マット安川のずばり勝負」ゲスト:佐藤ゆかり参議院議員(自民)/オフィスヤスカワ佐藤 ゆかり(さとう・ゆかり)氏
参議院議員(自由民主党シャドウ・キャビネット経済財政・金融担当副大臣)。日系および外資系証券会社でエコノミストとして活躍し、2005年に衆議院議員(東海ブロック)初当選。2010年7月の参議院議員比例(全国区)で上位2位当選 (公式HP: http://www.satoyukari.jp/home/)
(写真提供:オフィスヤスカワ、以下同)

佐藤 私は民間時代から20年近く経済の仕事をしてきて、現在は自民党シャドウ・キャビネットの経済財政金融担当の副大臣をしています。

 今の民主党政権は経済無策です。社会保障を立て直すために消費税率の引き上げの話が出ていますが、その中でどうやって経済成長を維持していくのかという基本的な話がありません。

 自民党も消費税率10%と以前から言っていますけれども、当然その中には経済成長ということが大前提として入っています。民主党の提案はそこのところがすっぽり抜けて、いきなり増税の話に行ってしまっている。同じ10%でも中身が全然違います。

 雇用対策も、菅(直人)総理の鳴り物入りで雇用拡大を軸とする成長というのを打ち出されていますが、すでに破綻しています。

 というのも、ここでも現金給付のバラまき政策なんです。企業に対して、例えば新規雇用者を何名以上雇い入れた場合には、1人当たり助成金をいくら現金で給付するというものです。

 それには過去1年間に事業所側の都合で退職を迫っていないなどの条件があります。しかし、経営者の観点からすれば、事業転換して競争力をつけるために一時的には雇用の配置換えや、もしくはスリム化してもう一度雇い直すといった作業ができなくなる。

 単に現金を給付するより、事業主が事業転換して競争力をつけやすい環境にするための助成金を出すなど、事業主が元気になると同時にそこから雇用につながっていくようにしなければいけません。

 民主党政権の政策というのは、当初予想していた以上に社会主義的です。分配分配で、これは非常に危険です。経済を壊してしまうと思います。

誰が経済政策のリーダーシップを取っているのか分からない

 内閣の顔ぶれを見ても、本当の意味で経済の成長戦略や分配戦略を誰が取り仕切っているのか姿が見えてきません。