「フェイスブックはシリコンバレーの多くの企業にとって友人でもあり敵でもある」――。米ウォールストリート・ジャーナルがこんな記事を掲載している。
それによると、米ヤフーや米グーグルといった同地域のネット大手は、フェイスブックのサービスと連携して自社サービスの魅力を高めようとしているが、フェイスブックは膨大なユーザー数を背景にあらゆる方面に進出しており、その野心が各社にとっての脅威となっている。
これによりシリコンバレーの勢力図が変わりつつあり、各社は今、フェイスブックが敵または味方のどちらなのかを見極めなければならない状況にあるというのだ。
フェイスブックが注力しているのは本業のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)。その軸にぶれはないのだが、同社は「やがてあらゆる業界の製品やサービスが、SNSを中心に据えたものに改良されていく」と考えており、そこに同社の活躍の場があると期待している。
アップルやグルーポンとも競合関係に
そのことを示しているのが同社のここ最近の動き。例えば既に携帯電話やゲーム、地域情報サービスなどの分野にも進出しており、この路線を突き進んでいけば周辺のほぼすべてのネット企業の競合となることは必至だ。
影響を受けるとされる企業はヤフー、グーグルのほか、米アップル、米ツイッター、米グルーポン、米イーベイ傘下のペイパル、米ニューズ・コーポレーション傘下のマイスペースなど。
このうち、ヤフーとマイスペースはフェイスブックとコンテンツの提供で協力し合っているが、同時に各社はユーザーの滞在時間を競い合う関係でもあり、フェイスブックがネット広告の収益を2社から奪うという状況が生まれている。
同社はクーポン共同購入サイトのグルーポンとも協力関係にあるが、昨年独自の地域情報サービスを開始、クーポン配信事業も始めており、このサービスが今後拡大すればやがてはグルーポンとも競合する。